レギュラーシーズンを全勝1位通過。2年ぶりの日本一奪取に邁進しているパナソニックインパルスだが、好調の原動力は看板の強力DLの活躍だ。DEデイビッド・モトゥ(日大)、新人DLアーナー・エアロン・ジェイソン(ルイビル大)、カールトン・ジョーンズ(アラバマ州立大)と、横文字の名前がずらりと並ぶ中、かれらと肩を並べて先発の座を勝ち取っているのがインパルス4年目のDL梶原誠人(関学大)だ。
「昨年までは学生時代の流れでプレーしてしまっていました。少なからずおごりもありました。でも、今年はインパルスでこういうプレーがしたいという形が明確に見えてきました」
梶原が追い求める理想像は、もっとパワフルに、もっとスピーディーにプレーできるDLだ。極めてシンプルだが、これで極めたという際限がない。ゆえに極めることが最も難しい課題だ。
関学大時代からトップDLとしてプレーしてきた梶原だが、フットボール選手としての人格の基礎が作られたのは箕面自由学園高時代だ。
少年フットボールチーム『千里ファイティング・ビー』で小学校4年生からプレーしてきた梶原は、箕面自由学園高では攻守ラインの他に、高校1年生の終わり頃からLBとしてもプレーした。LBの経験がなかった梶原だが、富田秀司監督(当時)から言われた、「お前が止めなあかんねん」という言葉は、梶原の心に今も深く突き刺さっている。
「監督からの指示はその一言でした。自分はLBとしては足も遅かったし、経験もなかった。それでも先生に「お前が止めろ」と言われてからはどうしたらタックルできるかを考えるようになりました」
最初はただボールキャリアを追いかけるだけだったが、周囲の動きも頭に入れておけば、もっと効率的に動けることに気がついた。周囲を見て、自分の立ち位置を決める。今でも梶原はDLでありながら、LBやDBがどのように動いているかの大枠を頭に入れてプレーしている。
「後ろの動きを頭に入れておけば、たとえばアサイメントを越えたプレーをしたい時に、『ここまではLBがフォローできるから大丈夫だろう』という予測がつく」
周囲のことを知った上で、自分の立ち位置を決めれば、許された自由度がどの程度あるのかも見えてくるため、ビッグプレーがより生まれやすい状況を作ることができると、梶原は言う。
11月26日、キンチョウスタジアムで対戦するIBMはXリーグ屈指の攻撃力を持つチームだ。梶原が彼らに対してどんなプレッシャーをかけるのかに注目だ。
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