20位 QBダック・プレスコット
(カウボーイズ)
ドラフト4巡目の選手が、本来ルーキーシーズンの1試合目から先発することはない。しかしトニー・ロモの負傷によって先発に抜擢されたダック・プレスコットは、ルーキー離れした落ち着いたプレーで慎重にパスを通し、チームをプレーオフに導いた。
プレスコットはルーキーQBながら13勝をあげ、ベン・ロスリスバーガーのルーキーQB勝利数記録に並んだ。カウボーイズのOLがNFL最高評価を得ていたこと、RBがリーディングラッシャーのエゼキオル・エリオットであったこと、コール・ビーズリーやデズ・ブライアントといったレシーバーに恵まれていた、といった好条件に恵まれていたことは事実だが活躍は目覚ましいものだった。パス成功率67.8は150回以上パスを投げたルーキーQBのなかで最高、TDとINT比率23:4、さらにパサーレーティング104.9いずれもルーキーQBとしては史上最高だった。
プレスコットは今後、NFLに名を残す名QBになることが期待される。2年目のジンクスという言葉もあるが、同期のエリオットとともに再びチームを勝利に導くだろう。

LB59ルーク・キークリー (Photo by Scott Cunningham/Getty Images)
21位 LBルーク・キークリー
(パンサーズ)
2015年シーズンにカロライナ・パンサーズがスーパーボウルに出場できたのは守備の力が大きかった。特にインターセプトが多く、チーム全体でNFLトップの24INTを記録した。4INTを奪ったルーク・キークリーは、パンサーズ守備をリーグ屈指のものに押し上げたキーパーソンだった。キークリーが入団した2012年からLBによるインターセプトはリーグ最多の25回、その内、キークリーが12回を占めている。LB離れした優れたカバー能力と守備範囲はQBやラインの動きからプレーを読むことを得意としていることに起因している。また、レシーバーの人数を増やした攻撃に対してもダイムバックを投入せずにキークリーを起用できるのもパンサーズ守備の大きな強みとなっている。
2016年シーズンは後半の6試合を脳震盪で欠場し、パンサーズのシーズンに自らトドメを刺してしまう結果に終わってしまった。それでもキークリーのパスカバーと判断能力は彼固有のものだ。2017年シーズンは彼とパンサーズ守備の復調が期待される。

LT73ジョー・トーマス (Photo by Dustin Bradford/Getty Images)
22位 LTジョー・トーマス
(ブラウンズ)
この10年間、ジョー・トーマスはパスプロテクションの名手として名前が上がり続けている。ブラウンズはシーズン中5回QBを替えたがトーマスは1030プレー全てに出場、6人のQBを守り抜いた。重心が低く、相手のエッジラッシャーにどんなに揺さぶられても押し切られることはほとんどなかった。ブラウンズのQBはリリースが遅く、通常2.6秒程で投げるところを3秒近くボールをもったままだった。しかしトーマスは年間で34回しかプレッシャーを許さなかった。ランブロックも巧みにこなし、RBイザイア・クロウウェルがトーマスのをキーにしたプレーでは平均7.3ヤード獲得していた。
トーマスは10年のキャリア全てプロボウルに選出、AP通信のオールプロ一軍に7回選出され、10年間10595プレー中ただの一度も欠場したことがない。そんな偉大な選手であるにも関わらず10年間のチームの通算成績は48勝112敗と大きく負け越している。それでも毎年不屈の精神で最高のパフォーマンスを見せるトーマスをNFLファンならば応援せずにはいられないだろう。
NFL the TOP 50 playersの1位〜10位はハドルマガジン8月号Vol.31に掲載しています。ご購読はこちら。