23位 ルショーン・マッコイ
(ビルズ)
「NFLナンバーワンRB」を自称するほどの自信家だ。確かに、エースRBにマッコイを据えたバッファロー・ビルズはラン獲得ヤードが2年連続で1位、マッコイ自身も1267ヤードを走りNFLで6位、15ヤード以上を一回のランで獲得した回数が22回で最多だった。また、彼がボールを持ったのが234回なのに対し、彼より獲得ヤードが多かった5人はいずれも250回以上キャリーしている。ラン一回の平均獲得ヤードが5.4ヤードで最高だったことは「NFLナンバーワンRB」を自称するに相応しい結果であると言える。
マッコイがビッグプレーを連発することができる秘訣は独特の動きの緩急にある。「全てがスローモーションになって、あれ?なんだ?と思っている間に抜かれているんだ。」とブラウンズLBクリスチャン・カークシーは言っている。「Shady」というニックネームは相手選手の目の前から消えるように抜き去っていくマッコイのプレースタイルを表している。個人技に秀でながら、ベテランらしく上手くブロックを使うこともできるので安心してボールを託すことができる選手だ。
NFL入り9年目を迎える選手ながらまだまだ調子を落とす兆しが見えず、2017年シーズン以降も彼の「陰」のような走りをみることができるはずだ。

TE87トラビス・ケルス(Photo by Jamie Squire/Getty Images)
24位 TEトラビス・ケルス
(チーフス)
レシービングTEとして2016年シーズン最も活躍が目立ったのはトラビス・ケルスだった。パス獲得ヤードはTEの中で最も多い1125ヤード。特に目を引くのはRACで平均で7.7ヤード稼いでいることだ。これはQBアレックス・スミスがロングパスを不得意としている弱点を補い、一気にボールを進める役割を担った。またTEらしい198センチの高身長と、アウトサイドレシーバーのようなスピードを併せ持っているのでカバーをすることが困難だった。ケルスに投げられたパスが一度もインターセプトをされないほどの確実性も、ケルスが対戦守備にとって脅威となっている所以だ。
プレー中に見せる真剣な姿とは裏腹に、TDのあとのダンスではお茶目な一面も見せる。鏡の前で何時間もかけて考えた面白いダンスはファンの心を掴んでいるようだ。体格とプレースタイルからペイトリオッツTEロブ・グロンコウスキーと比較されることが多い。負傷から復帰するグロンコウスキーと、2016年のベストTEケルスどちらが2017年シーズンに活躍を見せるかは見所の一つとなるだろう。実力、人気ともにチーフスの中心選手となったケルスは2017年シーズンでも活躍が期待されている。

QB3ラッセル・ウィルソン (Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)
25位 QBラッセル・ウィルソン
(シーホークス)
シアトル・シーホークスといえばリーグ最強の呼び声が高い守備に目が行きがちだが、ラッセル・ウィルソンがQBでなければ毎年プレーオフに進出できるような強豪にはならなかっただろう。走力とパスを高いレベルで両立するウィルソンは、守備にとっては非常に守りにくい存在だ。走力をディフェンスが与えてくるプレッシャーから逃げるために用いる。シーホークスのOLは例年、パスプロテクションが十分であるとは言えず、2014年から毎年30パーセント以上のプレーでウィルソンはプレッシャーを受けている。2016年シーズンも例外ではなく34.9パーセントのプレーでプレッシャーを受けている。その状態でもキャリア最高となるヤード4219ヤードを獲得、成功率も64.7パーセントと高い数値だった。走力を用いることでパスを成功させるための時間稼ぎでOLを助けていることがシーホークスが勝ち続けている大きな要因だ。
多くのNFLトップQBが30代である中、ウィルソンはまだ28歳で一回り年下だ。既にスーパーボウルリングを一つ持っており、後一歩でもう一つ手にするところまで行った選手だ。一人でも状況を打開する力を持っているだけに今後幾つのスーパーボウルリングを手にするか非常に楽しみだ。
NFL the TOP 50 playersの1位〜10位はハドルマガジン8月号Vol.31に掲載しています。ご購読はこちら。