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日大第三者委が内田元監督の『悪質タックル』指示認定。隠蔽工作も

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日大第三者委員会は『悪質タックル』が内田元監督の指示であることを認定した

5月6日にアミノバイタルフィールドで行われた日本大学と関西学院大学の第51回定期戦で発生した『悪質タックル』問題に関して、日本大学が設置した第三者委員会(正式名称:日本大学アメリカンフットボール部における反則行為に係る第三者委員会=勝丸充啓委員長)は、6月29日、都内で記者会見を開催。中間報告書を日大に提出し、『悪質タックル』が内田正人監督および井上奨コーチ(いずれも当時)の指示であったことを認定したことを発表した。

第三者委員会は5月31日に調査を開始。①事実確認に基づく真相究明および原因究明②アメリカンフットボール部におけるガバナンス体制の検証③再発防止策の3つの調査項目の内、まずは事実確認について、当事者間で主張が食い違っている監督、コーチの指示の有無について重点的に調査。アメリカンフットボール部員を中心とする関係者および、競技の専門家を含む70名へのヒヤリング、アメリカンフットボール部の選手およびスタッフ145名へのアンケート調査、ビデオ画像の解析、関係者のメールでのやりとりのチェックなどを行った。

その結果、第三者委員会では「監督、コーチの指示があった」とする反則を行った当該選手Aの説明は、信用できる関係証拠、証言と照らし合わせても一致する点が多く、全般的に信用できるとし当該プレーが内田監督と井上コーチの指示によって行われたものであり、相手選手に対する傷害の意図を含むものだったと認定した。一方、「相手を負傷させる意図の指示はなかった」と主張する内田元監督、井上元コーチの説明は不自然かつ不合理で、信用できる関係証拠とも矛盾することから、まったく信用することができないとした。

認定に至った経緯の中には、当該選手が『悪質タックル』(=プレー終了後にQBを後ろからタックルした最初の反則プレー)を行った直後に、サイドラインで井上元コーチが内田元監督に歩み寄り、「A(=当該選手)がやりましたね」と話かけ、内田元監督が「おお」と、答えたという、これまで明らかになっていなかった事実も第三者委員会の調査結果として明かされた。

また、部員学生に行ったアンケート調査(現時点で145名中120名が回答)の中で、当該選手Aと、内田元監督・井上元コーチの発言の食い違いについて、どちらが正しいことを言っているかとの質問に対し、「内田元監督・井上元コーチが正しいことを言っているという回答は一人もいなかった」という事実が、第三者委員会・磯貝健太郎委員から紹介された。

さらに本件発生後に一部の日大関係者により、この反則は当該選手に責任を押し付け、監督、コーチの指示はなかったことにしようとする、口封じなどの不当な介入が行われていた事実があることが明らかにされた。

日大は6月19日に新監督、コーチの公募をホームページ上で発表(6月28日に締め切り)。6月29日には外国人7名を含む69名の応募があったことをホームページ上で発表した。

第三者委員会は新監督、コーチの任命についても言及した。
「内田監督、井上コーチおよび、不当な介入を行った日大関係者の影響力を完全に排除しなければならない。監督、コーチの任命は外部の方の交えた公平公正な選考委員会を設けて選手、父母会、OBの方々の声を反映させながら透明感を持って選考手続きが進められることを望む」(勝丸委員長)。

第三者委員会は今後、本件が発生した背景と原因の究明、アメリカンフットボール部のガバナンス体制の検証、再発防止対策についての調査を進め、7月末に最終報告をまとめる予定だ。

内田元監督、井上元コーチは、一般社団法人関東学生アメリカンフットボール連盟が6月26日に開催した臨時社員総会で、連盟からの除名処分を正式決定している。

■日大第三者委員会会見(朝日新聞社youtubeチャンネル)
追記
日本大学は同日、第三者委員会の中間報告について受領したことをホームページ上で発表。監督、コーチの指示があったとする中間報告内容について、『本学職員による反則行為の指示が存在したことは誠に遺憾』であるとし、改めて被害選手、保護者、関西学院大学フットボール部および、反則プレーの指示を受けた選手及び保護者に対して謝罪の文面を掲載した。合わせて第三者委員会が報告した中間報告書の骨子、要旨および、中間報告書の内容を発表した。

日本大学公式ウェブサイト『第三者委員会の中間報告書について』
http://www.nihon-u.ac.jp/information/2018/06/8261/

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