11月29日、ファイナルステージでオービックを破り、Xリーグ二連覇に王手をかけた富士通フロンティアーズ。この試合でQBサック、ロスタックル、インターセプトとビッグプレーを連発した富士通LB竹内修平選手は、東海学生2部リーグから日本一のチームの主力LBに上り詰めた選手です。5年目の今季、守備の要へと成長を遂げようとする竹内選手に注目しました。
※ハドルマガジン12月号vol.9抜粋記事
成長ゆえの『違和感』
「以前よりもプレーが安定している実感はあります。一方で、ビッグプレーを起こせていない。自分の中で思い切り行けていないというか、守ってしまっているような感覚が常にあるんです」
LIXILディアーズを29対17で下した直後、富士通フロンティアーズの竹内修平は、今季のプレーに対して自分の中にもやもやとした感覚が残っていることを打ち明けた。
昨年までは34体型で構える時のOLBの先発だったが、43体型時には鈴木將一郎(専修)の控えだった。しかし、今季は体型を問わず常に先発起用されている。
竹内の持ち味と言えば、アスリートが揃うフロンティアーズの中でもトップクラスのフィジカルを駆使した、ブリッツからのロスタックルだ。
竹内自身は「守っている感覚」と言うが、ファーストステージ第4節のノジマ相模原ライズ戦(◯37対10)ではファンブルリターンTDにブリッツから1QBサックと大暴れを演じるなど、ビッグプレーメーカーぶりは健在だ。
竹内が今季、大きく変化したのはブリッツ以外のプレー時の反応だ。昨年までは、ブリッツ以外のプレー時には攻撃プレーに対して反応が遅い場面が多くみられた。しかし、今季は相手のプレーを的確に読み、反応後に激しくプレーできている場面が増えた。
「確かにプレーの見極めは安定してきたと思います。しかし、ブリッツの時にも相手の動きを見極めて、考え過ぎてしまうことがあるんです」
安定とビッグプレーの間のジレンマを打ち明ける竹内だが、それはLBとして一段階上のレベルに上がったが故に感じている感覚だろう。
打ち込む物を失った時に出会ったフットボール
長野県の北部にある飯綱町で生まれ育った竹内は、スキーリゾートが近所にあるため、冬はスキーをして遊んでいた。小学校4、5年時には野球に取り組み、5年時から始めたバスケットボールは高校3年生まで続けた。
インターハイ出場実績もある長野東高校では、パワーフォワードとしてプレー。「パワーフォワードは中からも外からも得点を狙うポジション。複数の役割があるという意味では、ランもパスも守らなければならないLBに似ているかもしれません」と、竹内は言う。
続きは月刊デジタル雑誌ハドルマガジン12月号vol.9に掲載しています。