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現地7月7日から17日に、米国アラバマ州バーミンガムで行われる第11回ワールドゲームズ(WG)。今大会で初めて競技採用されるフラッグフットボールに、女子日本代表が参戦する。フラッグ女子日本代表は昨年12月、イスラエルで行われた世界選手権で6位入賞を果たしてWGの出場権を獲得した。世界選手権では4位のブラジルに14対20、5位のパナマに25対32といずれも1TD差の惜敗。優勝した米国にも最終的には24対40で敗れたものの、前半は18対27と対等な攻防を繰り広げた。
「ワールドゲームズでは、パナマ、ブラジルに勝利して3位以上に食い込むことを目標にしています」
フラッグ世界選手権女子日本代表の主将を務めた佐藤由樹は、WGで表彰台に上がることを目指している。
「身長も高く筋力もある海外の選手と戦ってみて、筋力トレーニングの必要性を感じました。しかも、他国の代表のソーシャルメディアを見ると、選手がトレーニングしている様子が度々アップされていて、私たちも負けていられないと思いました」
ライバル国との差を埋めるため、佐藤は筋力トレーニングに加えて週に1回、キレのある動きができるようになるために1回8000円のパーソナルトレーニングを追加して、体の使い方の改善に取り組んでいる。
平日は日本代表のチームメイトたちと分担して、世界選手権の時のビデオを分析して各国の傾向を出し、WGでの対戦に備えている。
世界選手権の米国戦はコンビネーションの隙きを突かれてインターセプトを多く喫したことが敗因の一つになった。当時の女子日本代表15名は、関東在住が8名、関西在住が6名、九州が1名という構成だった。普段はそれぞれが所属しているチームで練習して個々のスキル向上を図り、大会前に月1回、土日を利用して関東でプレーを合わせるという方法でチームを作ってきた。
コンビネーションを向上させるためには、チーム練習の機会を増やすことが必要だ。しかし、それには経済的な負担が伴う。移動の際には日本アメリカンフットボール協会(JAFA)から3万円の交通費補助が支給されるが、宿泊費を含めれば足が出る。その分はそれぞれの選手が捻出している。現状では、月1回のチーム練習が精一杯の頻度であることも事実だ。国際大会への現地渡航費も選手個々の負担だ。
端的に言えば実力があっても数十万かかる渡航費がなければ日本代表にはなれない。WGで表彰台を目指すという目標に向けてチームを強化する上で、選手が背負う金銭的負担は大きな課題である。
「私は社会人なので厳しくてもなんとかできていますが、代表は学生のメンバーも多くいます。皆に同じ負担や努力を強いることはできません。もし、私も学生だったら今の自分と同じようにはできないと思います」。
金銭的な負担というハードルを下げることができれば、もっと練習もできるし、強いチームを作れる。佐藤はそんなジレンマを抱えながら現状でできる限りの努力をしている。
JAFAは2028年のロサンゼルス五輪でフラッグフットボールの競技採用を目指す国際連盟(IFAF)とUSAフットボールの動向を受けて、2020年に日本フラッグフットボール協会(JFFO)と共同で競技の普及を行うプロジェクトを開始した。フラッグ日本代表の国際大会への派遣はJAFAの役割になっている。一方で、原資は限られているため、フラッグ日本代表にさらに予算を割くことは難しい状況であるのも事実だ。
JAFAがフラッグフットボール日本代表を支援する目的で3月8日から開始したクラウドファンディングは、こうした状況を打開するためのものだ。
クラウドファンディングサービスの『READYFOR』を利用した今回のプロジェクトは、1000万円を目標金額に4月30日まで支援を募っている。3月27日時点で800万円を越える支援が集まっているが、今回のファンディングはオール・オア・ナッシング型のため、目標金額に達しなければ、支援金は受け取ることができない。
「クラウドファンディングが始まって以来、多くの方々が応援してくださっていることを実感して、私たちの励みになっています。先日の練習は男子日本代表が指導してくれたのですが、今まであまり発言しなかった選手も積極的に質問するようになったり、皆さんの期待に応えたいという気持ちがチームをレベルアップさせてくれることを感じています」(佐藤)
フラッグ女子日本代表は、支援者の思いを背負ってWGで表彰台を目指す。