試合の見どころ

ドクターDのJXBフォーカスポイント
パナソニックのラン攻撃対
富士通のラン守備の『ガチンコ勝負』(下)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ドクターDのJXBフォーカスポイント パナソニックのラン攻撃対 富士通のラン守備の『ガチンコ勝負』(上)」はこちらからご覧いただけます。

鍵を握るブロッカーの数と配置

パナソニックのラン攻撃がいくら強力だといっても、激しくLOSを突破してくるDLと運動量豊富なLBを完璧にブロックすることは容易ではない。特にDLともLBともとれる位置取りと動きをする新外国人LBトラショーンに自由に動かれると、パナソニック攻撃は厳しい状況になる。

トラショーンを封じ込める戦略の一つとして考えられるのは、ブロッカーを増やすことだ。WRをたくさん配置するスプレッド隊形でなく、TE/FBを多く配置する隊形だ。

FB/TEが多く配置されると、トラショーンの動きは限定される。
フットボールの攻防は数合わせの要素がある。少し大雑把な表現になるが、ブロッカーが多い時に、LBの位置で自由に動きまわってしまうと、それだけ相手に大きなスペースを与えてしまう危険が高まる。つまり、TE、FBを増やすことによって、トラショーンの位置や役割をDE/LBではなく、DLに限定することができる。

今季のパナソニックはパス捕球だけでなくブロッカーとしても優れているTE岸本に加え、ゴール前ではOLとしても日本代表クラスの浅野(181センチ122キロ)をFB起用している。人材的にはブロッカーを増やした戦略をとることは可能だ。

トラショーンのスピードを活かしたラッシュを体型によって封じることができれば、パナソニックはより力勝負に持ち込みやすくなる。JXBではパナソニック攻撃のTE/FBの数と、16番を着けている富士通LB/DEトラショーンの位置に注目してもらいたい。

注目の対戦はパナソニックOL
vs富士通LB浦川・海島

WRを多く配置する隊形だと富士通は誰がラッシュしてくるのか予想しにくい。しかし、ブロッカーを多く起用したヘビーな隊形になると、富士通守備は真ん中に位置するのがLB浦川か、浦川と交代起用されている海島のどちらかに限定される。パナソニックのOLは当然ながらMLBをブロックすることに的を絞ることができる。
 
ノジマ相模原戦では日本を代表するLBの一人である田中をきちんと処理して中央のランプレーで安定したゲインを重ねた。

富士通守備はOLBに竹内、鈴木の日本代表コンビを配置している故に、外への展開はある程度対応できるだろう。ゆえにパナソニックOLと富士通MLBの攻防による中央のランの成否が、勝敗を分ける大きなポイントになりそうだ。

著者紹介

Dr.D(ドクターD)
幼少の頃からフットボールに取り組み、米国でのプレー経験、国内での長いコーチ経験も持っている。どちらかというと守備マインド。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

こちらの記事もおすすめです