試合の見どころ

ドクターDのJXBフォーカスポイント
パナソニックのラン攻撃対
富士通のラン守備の『ガチンコ勝負』(上)

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12月14日、東京ドームで行われるジャパンエックスボウル(JXB)の一般的な見どころは、富士通QBキャメロンの華麗なパス攻撃をパナソニックの強力守備がどう止めるかだろう。しかし、しかし、私が試合の結果を大きく左右するポイントと見ているのはその真逆、パナソニック攻撃対富士通守備である。

今季のパナソニック攻撃はランがコンスタントに進んでいる。これが5年ぶりのJXB進出の原動力となったと言っても過言ではない。故にパナソニックのラン攻撃を富士通守備が止めることができれば、富士通が主導権を握ることになるだろう。両チームの戦力を比較した時、パナソニックはランがいつものように進んで五分五分に持ち込むことができるという力関係と見ている。

もし私が富士通守備のコーチであるならば、ゲームプランの1ページ目には、「Stop the Run!」と大きな文字で記す。パナソニックの攻撃コーチならば「Run the Ball!」と必ず書く。

パナソニックの荒木監督は現役時代FB。おそらくとにかくランを出してゲームを作るマインドが強いだろう。富士通の藤田ヘッドコーチは弱気や逃げの戦略を徹底的に嫌がるタイプ。両ヘッドの性格からしても、今回のパナソニックのラン攻撃対富士通のラン守備は、やるかやられるかのガチンコになることが期待できる。

パナソニックはセカンドステージおよびファイナルステージでノジマ相模原ライズに圧勝している。ファイナルステージでは47回走って274ヤード、一回平均5.8ヤードと、実力が拮抗したプレーオフにもかかわらず驚異的な数字をたたき出している。しかもエースRBデュプリーが出場していない数字であることに、ランを支えるOLユニットの完成度の高さがうかがえる。

一方、富士通守備は強力オービックのラン攻撃を41 回91ヤード、一回平均2.2ヤードに抑えている。

ファイナルステージともなると、お互いに『何がしたいのか』、『なにをしてくるのか』を、スカウティングの段階でほぼ完璧に把握しあった戦いになる。つまり、ノジマ相模原はパナソニックのランを止めに行ったにもかかわらず進まれ、オービック攻撃は富士通守備をランで切り崩せる準備をしたにもかかわらず止められてしまった。それぐらい、今季のパナソニックのラン攻撃、富士通のラン守備を担う人材は、選手一人一人の能力が高いと言えるだろう。

著者紹介

Dr.D(ドクターD)
幼少の頃からフットボールに取り組み、米国でのプレー経験、国内での長いコーチ経験も持っている。どちらかというと守備マインド。

「ドクターDのJXBフォーカスポイント パナソニックのラン攻撃対 富士通のラン守備の『ガチンコ勝負』(下)」へ続きます。

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