【連載】保坂典子のAmerican Cheer Life Vol.1
ハドルウェブ読者の皆様初めまして!
私はNFL ワシントンレッドスキンズ(2008〜2010)、AFLサンノゼセイバーキャッツ(2010〜2012年)、NFLオークランドレイダース(2012〜2014年)の専属のチアリーダーとして活動していた保坂典子と申します。
この度はハドルウェブ通して、私の6年間のアメリカでのチアリーダー生活を振り返りながらNFLチアリーダーの生活の実際や、日本との思考や文化のギャップなど、驚きを感じたエピソードなどを皆様にお届けしようと思っております。
どうぞお付き合いよろしくお願いいたします!
4月は日本人にとって、入学や入社、新学期など、新たな年度の始まりですよね?
実はNFLチアリーダーの新シーズンも4月に始まります。
私が所属していた両チームはもちろん、多くのチームが4月上旬にチアリーダーのオーディションを開催し、新年度のメンバーを決定します。
このオーディションは、ベテラン、新人を問わず、全員が同じ条件で受け、合否を判定されます。チアリーダーには選手とは違って『フランチャイズ・プレーヤー』制度はチアリーダーにはありません。
新年度のメンバーが決まると、すぐに練習がはじまります。
ざっと一年間の流れをご紹介しましょう。
4月 オーディション、新メンバー決定、練習開始
5月 ミニ合宿
6月 カレンダー撮影
8月 プレシーズン開始
9月 レギュラーシーズン開始
2月 スーパーボウル
3月 オフ(ただしイベント活動は続く)
5月のミニ合宿は各チームによって様々ですが、私がいたレイダースでは2泊3日で、チームの歴史や、テーブルマナー、服装に関しての注意、チームのアンバサダーとしてのイベントでの振る舞いや、チームメイト同士の結束を高めるためにグループに別れて対抗戦ゲームをしたりなどと、ダンスは一切やらず親交を深めたり、チームの一員としての心構えを楽しく学ぶ事をメインに取り組みます)。その後はフィールドに実際に立つ8月のプレシーズン・ゲームまで、週3回のペースで練習が続きます。
NFLチアリーダーがフィールドに立つのは年10回です。しかし、チアリーダーの活動はフィールドに立っている時だけに限りません。病院や老人ホームに訪問し私たちの元気な姿を見せたり、小学校や中学校を訪れ一緒に運動したり、ダンスを教えるなどのボランティア活動を行っています。
こうした活動は年間で300件前後あり、メンバーで代わる代わる担当します。そのために4月から30種類ぐらいのダンスルーティンを何度も練習します。
ほとんどのNFLチアリーダーはフルタイムの仕事を持っているか学生です。上記のスケジュールと仕事を両立させるのは結構大変ですが、みんな助け合い励まし合いながらやりくりし、目標に向かって頑張ります。
どんなにハードでも『歯を食いしばって頑張る』というよりは、時には冗談を言い、笑顔を浮かべながら楽しんで一つ一つ課題を乗り越えて行くという姿勢で皆、取り組んでいます。
常に前向きに明るさを失わないことは、NFLチアリーダーのメンタリティとして一番の特徴と言ってよいかもしれません。
少しNFLチアリーダー像を垣間みて頂けたでしょうか?
次回はテーマをしぼってもう少し掘り下げた内容をお届けしたいと思います!
これからもどうぞよろしくお願いいたします!
Noriko Hosaka
獨協大学卒業後、Xリーグチアリーダーを経て2008年に渡米。NFLワシントンレッドスキンズ、米国室内プロフットAFLサンノゼセイバーキャッツ、NFLオークランド・レイダースと米国で計6年間、チアリーダーとして活動。現在はNFLを目指すチアリーダー向けのワークショップを開催するなど、後進の指導にあたっている。サンフランシスコ在住