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パッカーズ攻守パス再構築
NFLドラフトレビューNFC北地区

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全体18位でグリーンベイ・パッカーズに指名されたルイビル大学出身のCBジェアー・アレキサンダー(Photo by Tom Pennington/Getty Images)

ミネソタ・バイキングス

1巡 30位指名 CBマイク・ヒューズ 中央フロリダ大学
2巡 62位指名 OTブライアン・オニール ピッツバーグ大学
4巡 102位指名 DEジェイリン・ホームズ オハイオ州立大学
5巡 157位指名 TEタイラー・コンクリン 中央ミシガン大学
5巡 167位指名 Kダニエル・カールソン オーバーン大学
6巡 213位指名 Gコルビー・ゴセット アパラチア州立大学
6巡 218位指名 DEアデイ・アルーナ テュレーン大学
7巡 225位指名 LBデヴァンテ・ダウンズ カリフォルニア大学

バイキングスにはゼイビアー・ローズとハリソン・スミス2人の優秀なDBが所属。失点、喪失ヤードともに最小の最強守備だったが、昨季のディビジョナルプレーオフではフィラデルフィア・イーグルス相手に38失点。改善の余地を感じさせる内容だった。昨季無敗の中央フロリダ大学からドラフト30位でCBヒューズを指名。ベストCBとして21ヤード以上のゲインを一度も許さない活躍を見せた選手だ。ヒューズは1年時は北カロライナ大学でプレーしていたが、性的暴行を行なった疑いで退学処分に。1年間ガーデンシティー公立短期大学でプレーしたのちに中央フロリダ大学に移籍。高校まではQBとしてプレーしていたため、CBの経験は大学の間のみ。しかもディビジョン1FBSでプレーした期間は3年時の1年間のみと、経験不足なのが欠点。「バイキングスにはベテランが多く、早く彼らから学びたい。チームに長く所属して上達したい」既に強力な守備を改善したバイキングスと、経験に不安のあるヒューズは欠点を補完し合う完璧なマッチングとなった。

QBカーク・カズンズを獲得したものの、カズンズを守るOLに不安が残るのか、62位でオニール、213位でゴセット、2人のOLを指名した。オニールは40ヤード走がOL中最速の4秒82と運動能力に優れる一方、198センチ134キロと他のドラフトにかかっているOTに比べやや軽めなのが不安要素だ。

デトロイト・ライオンズ

1巡 20位指名 Cフランク・ラグノー アーカンソー大学
2巡 43位指名 RBケリオン・ジョンソン オーバーン大学
3巡 82位指名 Sトレイシー・ウォーカー ルイジアナ大学
4巡 114位指名 DEデショウン・ハンド アラバマ大学
5巡 153位指名 OTタイレル・クロスビー オレゴン州立大学
7巡 237位指名 FBニック・ボーデン サンディエゴ州立大学

昨季32位のラン攻撃を克服すべく、20位でCラグノーを指名。過去20年で11人のCが1巡で指名され、中でも20位は4番目に早い指名だった。指名順が高すぎるとの声がある一方で、ランブロックに優れ、大学中に一度もQBサックを許さなかったラグノーはNFLでも優秀なCになる得るポテンシャルの持ち主。2巡43位のRBジョンソンは、昨季285回走1391ヤード18TDで、ラン1回平均4.9ヤードを記録。59位でワシントン・レッドスキンズに指名され、大学在学中はラン1回平均6.5ヤード獲得していたRBダリウス・ガイスが残っているにも関わらず指名された。疑問の残る指名ではあるが、ジョンソンも素早く穴を見つけるセンスが、大学時代のプレーからも見られた。活躍の規定できる選手だ。

昨季までのニューイングランド・ペイトリオッツ守備コーディネーター、マット・パトリシアがHCに就任し、守備の補強にも注目が集まったが、やや不可解なドラフトとなった。82位指名のSウォーカーはパス守備よりもラン守備が得意な選手。昨季27位のライオンズパス守備の解決にはならない。DEハンドは4年間でわずか9QBサック。4巡指名であっても1年あたち5QBサックを挙げている選手が少なくないため、実績不足。

グリーンベイ・パッカーズ

1巡 18位指名 CBジェアー・アレクサンダー ルイビル大学
2巡 45位指名 CBジョッシュ・ジャクソン アイオワ大学
3巡 88位指名 LBオレン・バークス バンダービルト大学
4巡 133位指名 WRジャモーン・ムーア ミズーリ大学
5巡 138位指名 OTコール・マディソン ワシントン州立大学
5巡 172位指名 PJ.K.スコット アラバマ大学
5巡 174位指名 WRマーケス・バルズスカントリング 南フロリダ大学
6巡 207位指名 WRエクミニアス・STブラウン ノートルダム大学
7巡 232位指名 DEジェイムズ・ルーニー カリフォルニア大学
7巡 239位指名 LSハンター・ブラッドリー ミシシッピー州立大学
7巡 248位指名 LBケンダル・ドナーソン サウスイースト・ミズーリ州立大学

パッカーズは11人指名したうち、5人がWRかCBと、攻守に渡ってパスプレーの補強を図った指名だった。
アレクサンダーとジャクソンのCBコンビはパッカーズ守備を完全に変える可能性がある。18指名のアレキサンダーは、膝と手の負傷で昨季は6試合の出場にとどまったが、2年時は5インターセプト記録。コンバインでの40ヤード走、3コーンドリル、20ヤードシャトルの全てでCBの中でトップの成績を出し、負傷の影響を感じさせなかった。

45位指名のジャクソンは、ゾーンカバーを得意とした選手。昨季は8インターセプトでディビジョン!FBSトップ。守備範囲に投げられたパスの43.8パーセントしか成功させなかった。40ヤード走が4秒56と4秒4を切る選手が珍しくないCBの中では遅く、1巡指名はなかった。同じくゾーン守備を得意としているCBのリチャード・シャーマンの40ヤード走はジョンソンと同じ4秒56だった。2順ながら、早くも未来のスター選手としての注目を集めている。

昨季はQBアーロン・ロジャースの鎖骨への負傷で25位と低迷したパス攻撃。ロジャースの復帰は決まっているものの、長年の相棒WRジョーディー・ネルソンを放出。WRに補強が必要な状態だった。133位指名のムーアは、3コーンドリルではトップの6秒56、20ヤードシャトルでは2位の4秒04を記録し、今ドラフトのレシーバーの中で最も俊敏な選手。正確なルートを走ることのできる選手でもあるため、パスの精度の高いロジャースとの相性も抜群だ。WRブラウンは195センチの長身と大学在学中に6度しかパスを落とさなかった選手。6巡目ながら、活躍が期待できる。

シカゴ・ベアーズ

1巡 8位指名 LBロークアン・スミス ジョージア大学
2巡 39位指名 Cジェイムズ・ダニエルズ アイオワ大学
2巡 51位指名 WRアンソニー・ミラー メンフィス大学
4巡 115位指名 LBジョエル・イヤボニーウェイ 東ケンタッキー大学
5巡 145位指名 DLビラル・ニコルズ デラウェア大学
6巡 181位指名 DEカイリー・フィッツ ユタ大学
7巡 224位指名 WRジェイボン・ウィムズ ジョージア大学

8巡指名のLBスミスは現代のLBに求められるスキルを全て持っている選手だ。RBやTEがレシーバーとして機能することが増え、LBにはランを止めるための巨体とパワーよりも、パスカバーを行うことのできるスピードが求められている。スミスはパスカバーを得意とし、エンドゾーンでレシーバーをカバーしボールをはたき落とす場面もしばしば見られた。ラン守備が不得意というわけではなく、ミスタックルは昨季2回のみ。

51位指名のWRミラーは、スロットレシーバーとして324プレー、ワイドアウトとして436プレーに参加した万能選手だ。スクリーンパスで288ヤード獲得はカレッジトップだった一方で、20ヤード以上のロングパスも12回捕球で6位と、場所を選ばずに活躍できるのも強み。今オフに、WRアレン・ロビンソン、WRテイラー・ガブリエルを獲得したベアーズにとって楽しみな要素が一つ増えたと言える。

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