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隠れた逸材ブロンコス3巡指名RBフリーマン
NFLドラフトレビューAFC西地区

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南ダコタ大学戦でのオレゴン大学RB21ロイス・フリーマン (Photo by Otto Greule Jr/Getty Images)

カンザスシティー・チーフス

2巡 46位指名 DEブリーランド・スピークス ミシシッピ大学
3巡 75位指名 DTデリック・ナーディ フロリダ州立大学
3巡 100位指名 LBドリアン・オダニエル クレムソン大学
4巡 124位指名 Sアルマーニ・ワッツ テキサスA&M
6巡 196位指名 CBトレモン・スミス 中央アーカンソー大学
6巡 198位指名 DTカリル・マッケンジー テネシー大学

昨季1試合あたり365.1ヤード喪失で28位だった守備を再建すべく守備の選手を6人指名したが、解決できたとは言い難い。2巡46位指名の DEスピークスは、大学3年間で9QBサックのみ。同じ2巡でテネシー・タイタンズに指名されたDEハロルド・ランドリーが3年生までの時点で20QBサックを挙げているのに比べると見劣りする成績だ。チーフス守備の特効薬にはなりづらいだろう。

チーフスは2016年にオールスター1軍に選出されたCBマーカス・ピーターズをロサンゼルス・ラムズとのトレードで失っている。CBの補強をドラフトで行うことが予想されたが、6巡のCBスミスまでCBの指名はなかった。スミスは AP通信FCSオールアメリカンの3軍に選ばれた選手だが、ピーターズの抜けた穴を埋めるのは難しいだろう。

ロサンゼルス・チャージャース

1巡 17位指名 Sダーウィン・ジェームズ フロリダ州立大学
2巡 48位指名 LBウチェナ・ヌウォス USC
3巡 84位指名 DTジャスティン・ジョーンズ 北カロライナ州立大学
4巡 119位指名 Sカイゼア・ホワイト 東バージニア大学
5巡 155位指名 Cスコット・クエゼンベリー UCLA
6巡 192位指名 WRディラン・ケントレル テキサス工科大学
7巡 251位指名 RBジャスティン・ジャクソン ノースウェスタン大学

昨季就任のガス・ブラッドリー守備コーディネーター(DC)は、1年で1試合あたりの失点を26.4点から17点に向上させた。今季はドラフトによってさらなる守備強化を図っている。1巡指名のSジェームズは「運動能力、スピード、フットボールIQ、闘争心を持った選手を指名できたのは幸運」とブラッドリーDCも絶賛。ケイシー・ヘイワード、トレバー・ウィリアムス、デズモンド・キングの昨季パス守備で3位のDB陣に加わる。ジェームズはパスカバーに優れている上に、3年間で86タックル15ロスタックルと、ランで守備でも貢献できる万能選手だ。昨季31位だったラン守備を改善する要因になるだろう。

2巡から4巡までの指名も守備の補強に使った。2巡48位指名のLB ヌウォスはディビジョン1FBSトップの10回パスを叩き落とした選手。4巡119位指名のSホワイトはLBにコンバートする予定だ。

オークランド・レイダース

1巡 15位指名 OTコルトン・ミラー UCLA
2巡 57位指名 DTP.J.ホール サム・ヒューストン州立大学
3巡 65位指名 OTブランドン・パーカー 北カロライナA&T
3巡 87位指名 DEアーデン・キー LSU
4巡 110位指名 CBニック・ネルソン ウィスコンシン大学
5巡 140位指名 DTマリウス・ハースト ミシガン大学
5巡 173位指名 Pジョニー・タウンセン フロリダ大学
6巡 216位指名 LBアジーム・ベクター ワシントン大学
7巡 228位指名 WRマーセル・エイトマン オクラホマ州立大学

1巡指名のOTミラーは16回しかQBへのプレッシャーを許さなかった一方、パスラッシャーに一瞬で躱されてしまう場面も見られた。ジョン・グルーデンHCは「昨季はOTの不安定さが目立った」とレイダースOLを評価しているため、期待に応えられる選手になることができるか注目。

5巡指名のマウリス・ハーストは昨季オールアメリカ1軍に選出。1巡で指名されてもおかしくない実力を持ちながら、コンバインで心臓に問題があると発覚。詳細は非公開となっている。後日検査を受け直し、問題はないと診断された。プロデーには参加したが指名順を大きく下げる結果となった。同じ出来事が2013年にドラフトされたバッファロー・ビルズDTスター・ロウテレレイにも起き、現在も問題なくプレーしている。ハーストも何事もなくプレーできる可能性は十分にある。一方でレイダースの指名を「無責任だ」と責める声もあるが、試合への出場が叶えば活躍を期待できる選手だ。

デンバー・ブロンコス

1巡 5位指名 DEブラッドリー・チャブ 北カロライナ州立大学
2巡 40位指名 WRコートランド・サットン SMU
3巡 71位指名 RBロイス・フリーマン オレゴン大学
3巡 99位指名 DBアイザック・ヤードム ボストン大学
4巡 106位指名 LBジョーシー・ジュール アイオワ大学
5巡 113位指名 WRデイショーン・ハミルトン ペンシルバニア州立大学
6巡 217位指名 LBケイワン・ビエリア ワシントン大学
7巡 226位指名 RBデイビッド・ウィリアムス アーカンソー大学

QBケイス・キーナムとの契約後もジョン・エルウェイGMが「ドラフトでいいQBがいれば指名する」とコメント。1巡目はQBの指名が予想されたが、DEチャブを指名した。3年時と4年時に10QBサックを挙げている優秀なパスラッシャーだ。4連連続で10QBサック以上を記録しているLBボン・ミラーとのコンビでパスラッシュをかけることになる。「チャブと一緒にプレーしたい」とツイートしたミラーの希望が実現する形になった。

昨季1試合あたり18.1得点で27位だった攻撃を克服すべく、2巡40位でWRサットン、3巡71位でRBフリーマンを指名した。サットンは3コーンドリルでWRの中で3位に入ったアジリティーの持ち主。昨季1回あたり5.3ヤードを記録したランアフターキャッチも魅力だ。

フリーマンは2年時に283回走1836ヤード17TDを記録。オレゴン大学の1シーズンのラッシング記録を塗り替えた。ドラフト1巡2位でニューヨーク・ジャイアンツに指名されたRBセイクオン・バークリーの、ラン217回走1271ヤード18TDをラン1回あたりの獲得ヤード数で上回っている。オレゴン大学はフリーマンの2年時には1試合あたり43得点で、ディビジョン1FBSの128チームのうち5位だったが、3年時は27位、4年時は18位だった。3,4年時はチームが好調だった2年時ほどの成績を残すことはできなかったが、4年間で獲得した5621ヤードはカレッジフットボール史上7位。高いポテンシャルを持っているのは事実。昨季までの先発RBC.J.アンダーソンを解雇したブロンコスにとって、掘り出し物となる可能性がある。

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